痛み再発 その4(三叉神経痛)〜急患
休みの連絡をしてしばらくすると、強烈な痛みが襲ってきた。
前にも『痛みを誘発する要因となること』の回でも触れたのですが、痛む箇所は似ている。
鼻の横の矢印のところに電流が流れているような痛み。それも、ビリッとくる静電気のような瞬間的なものではなく、感電しているかのようなビリリリリリッ…と電流が流れ続けているような痛みが止まらない。
ただ『痛い!痛い!』とタオルで顔を押さえながらベッドにうずくまることしかできない。
打ち合わせに出掛けようとしていた相棒が、仕事を延期して病院に急患の連絡を入れ、すぐに車を走らせてくれた。
自宅から病院までは約1時間〜1時間半ほど。
その間中、強弱はあるものの痛みが治まることはなかった。
病院に着き待合室にいると、その安心感からか少しずつ痛みが弱まっていった。
名前を呼ばれて診察室へ入ると、初めて顔を合わせる医師がいた。そして、経過を話すとほかの医師同様 手術を勧められた。
頭の中は痛みの恐怖とは別の恐怖が渦巻いている。
手術→リスク→後遺症…
サイバーナイフ治療後に片側顔面痙攣で顔が歪む恐怖と屈辱を味わっていたので、誤って別の神経損傷による後遺症で顔や身体が動かなくなったり、おかしな事になってしまうことはないのか…と考えれば考えるほど怖くて怖くて涙が止まらなくなってしまった。
そんな私に医師は、優しく、そして力強くこう言った。
『手術が怖くない人はいないと思いますよ。どんなに小さな手術でもね。脳腫瘍摘出が怖いのは当然だと思います。ただ、この先何年も薬で痛みを誤魔化して、再発する恐怖に怯えながら生活するのか、今、勇気を出して痛みのない生活ができるように手術をするのかで、これからの人生は違ってくると僕は思います。だからこそ、手術を勧めます。大丈夫。僕には治せる自信があります。』