顔面神経麻痺の実情
入院中は分からなかったけど、瞬きできない目に扇風機や空調の風は天敵だった。
この季節、どこへ行っても夏の暑さをヒンヤリと心地の良いクーラーが癒してくれる。
近場へリハビリがてら買い物に行ったりするが、このクーラーと空調や扇風機の風で眼球は冷え、乾き、特に左目の外側の下部に痛みが伴う。
そして…
顔面神経麻痺になっている左目と左の鼻の穴からは、どんなにドラマで感動して泣いても、どんなに酷い風邪をひいても、涙と鼻水は一滴も出ない。
ただただ、ティッシュが必要なのは右側だけで、左側にはかろうじてウエット感があるのみ。
これも、同病者のブログに書いてあったなぁ…なんて、ふと、思ったりもする。
歯磨きの時にぶくぶくうがいをしたくても、頰が全く動かない。
せめて右側だけぶくぶくしたくても、左側の頬と口に力が入らず閉じない左側の口元から水が漏れる。
だから、うがいは口を軽く閉じ頭を軽く左右に振って行うか、顔を洗面台に近付けて水漏れ承知でぶくぶくまがいな事をするしかない。
私の場合、脳腫瘍摘出をしていてふらつきが酷いので頭は振れませんが…振ったら転びます。
飲料は、コップからだとうまく飲めない。麻痺していない側に細いストローを使い少しずつならこぼさず飲める。
お茶漬けや具入り汁物も口からこぼれる。なにせ、口の中で汁と具を分けることが出来ない。
これも、顔面神経麻痺になって気付いたけど、自然と口の中で汁と具を分け、汁を飲み込み具を咀嚼して食べていたんだ。
今はこれが出来なくて咀嚼してないゴロゴロとしたものを丸呑みしてしまう危険性が高いから、別々に口へ運ぶようにしている。
頰に強張りを感じる。
顔の表面や頰の内側を手やスプーンを使ってマッサージすると、とても気持ちいい。
でも、あくまでも気持ちいいだけで強張りがなくなるわけではない。
舌の痺れと動きの悪さ。
通常、顔面神経麻痺だと味覚障害が起きるらしいが、私はあまり不自由さを感じない。
でも私の場合、舌の真ん中から線を引いているかのように左右の感覚が全く違う。
痺(しび)れと感覚の鈍さがある。
痺れに関しては、入院中、担当医に告げた際、顔面神経麻痺で舌の痺れは聞いたことがなく、腫瘍摘出時に三叉神経を傷つけた可能性があるため痺れているのかもしれないというような事を言われた。
そして、もしそうだったら、一生痺れが残る可能性が高いとも言われた。
感覚の鈍さは、熱さや冷たさ、それと、歯で甘噛みした時の感じ方が右側に比べて劣っている。
あと、嚥下障害が出ているのか、飲み込むつもりがない段階で、つるんと喉の奥に入ってしまい、時々ありえないシチュエーションでむせたりする。
【まみむめも】【ぱぴぷぺぽ】【ばびぶべぼ】が発音しにくい。
唇が麻痺により動かないので、上下唇をくっつけて発音する事が難しい。
人によって違うけど、これが私の実情。
全く動かない顔に焦りや不安を感じることもあるけれど、焦りは禁物らしいから、今は、マッサージなど出来ることをやって、いろんな事を調べて知識をつけなきゃ❗️
少しでも元の顔に近づくよう、絶対に諦めたりしない‼️