長男の優しさ
翌日、いつも通り仕事へ行きましたがゲベの事で頭がいっぱいで仕事も手につかず、溢れそうになる涙を何度も目をパチパチして誤魔化しました。
『やっぱり、あいつを迎えに行くぞ!』
長男からメールが入っていました。
『昨日火葬を頼んだから、もう間に合わないよ…』
『そんなの聞かなきゃわからないじゃん』
引き取って、裏の公園にお墓を作ると言う長男をなだめると、
『あいつが焼かれて大丈夫でいられるのかよ!』
『大丈夫なわけないじゃん。悲しくて悲しくて、考えないようにしようと思っても、一日中ゲベの事で頭がいっぱいで、涙こらえるのが必死だよ!』
『家族みんな、一緒か…』
そこで、長男からのメールは途切れました。
仕事を上がり、携帯を見ると、
『辛くても仕事頑張れよな。』
と長男から一言、メールが届いていて胸がギュッとなりました。
帰宅すると、目を赤く腫らした長男がいて、一日中、ずっとずっとゲベの事を考えて泣いていたんだろうな〜とか、自分も辛いのに私を励まそうと、どんな思いでメールをくれたんだろうとか、色んなことを考えて何度も胸がギュッとなりました。