顔面神経麻痺の友人
小学生の頃の同級生に、ひとりだけ顔面神経麻痺を経験した友人がいる。
何十年ぶりかのクラス会で再会し、彼と近況報告をしている時に話してくれた。
その頃既に、私は聴神経腫瘍の治療『サイバーナイフ』を受け片側顔面痙攣も経験していて、顔が変わってしまうショックは理解できたが彼と違う病気ということもありピンとこなくて、大変だったねと言う事しか出来なかった。
年月と共にその事を忘れてしまったが、たまたま入院中に、彼から納涼会のお知らせが来た時に、近況報告をして彼が顔面神経麻痺を経験していた事を言われ思い出した。
彼はストレスにより発症したため私とは状況が異なるが、彼の存在(顔面神経麻痺の先輩⁉️)がとても心強いものとなった。
彼は発症から約7ヶ月でほぼ治ったようで、全く動かない自分の顔に希望の光がさしたようだった。
7ヶ月経てば今より良くなっているかもしれない…
7ヶ月経てば私も治ってるかもしれない…
今、私は療養中で仕事を休んでいるけれど、彼は一家の大黒柱として閉じない目で寒風に晒されながら営業の外回りをしていたらしい。
『目が痛くてたまらなかったけど、目薬なんてささなかったし、考えもしなかった。家族を守らなきゃって思って必死だったからね。訪問先で顔が違う事に気付く人もいたけど、俺は男だから顔がおかしくなってもさほど気になったりしなかったな。お前は女だからきついだろう。でも、きっと良くなると思うから諦めるなよ。』
同じ病にかかったからこそわかる一言が心に沁みた。ありがとう。